Sunday, July 11, 1999

【 '99-05 】 民宿たんぽぽ

今回も旅の途中で布団が恋しくなってきた。翌日の天気が期待できそうに無いその日、民宿たんぽぽに泊まりました。知床の観光案内所で探してもらいました。この辺は所謂観光地なので、宿には不自由しません。ただ、私は立派なホテルに泊まりたい訳ではありませんでした。いつもそうですけど。

「これくらいの予算で」と案内所に伝えると、直ぐに幾つかの宿が浮上しました。雨が降りそうだったので、早いとこ決めてゆっくりしたいと思いました。それで決めたのが「たんぽぽ」だったのです。

チェックインまでまだ少し時間がありました。とりあえず場所だけ確認しました。一匹のシャム猫が、私の顔をジロッと見て歩いて行きました。
「たんぽぽ」は電機会社との兼業民宿らしい。外観は普通の一軒家に見えます。昔から民宿を営んでいたと言うよりは、子供が巣立った後に改築して出来た宿、という印象です。離れに温泉があります。廊下の小型冷蔵庫には冷水が常備してありました。館内は清潔な感じがします。居心地の良い宿です。

荷物を部屋に運び入れたりして、ゴソゴソしていると猫が入ってきました。さっき私と顔を合わせたシャム猫です。実はこの民宿の飼い猫だったのです。猫はどうやら私たちにかまってもらいたいらしく、じゃれついてきます。部屋の外に出そうと試みるのですが、ドアを閉める前にするりと入りこみます。とても人懐こい可愛い猫です。観光シーズンが終わってお客さんが少なくなったので、私たちに遊んで欲しかったのでしょう。

近所の土産物屋を見てまわった後、待望の夕食タイムになりました。普通の家庭で食べるような料理です。カレイの煮付けとか。でもそれでいいのです。食べた気がしない豪華なディナーよりも「ここは山中なのに何故海の幸が?」という不思議な食事よりもずっと良いです。

夜のあいだ、雨は止みそうにありません・・・明日も雨なのだろうか。

翌日、朝ごはんで階下に下りると、ひとりの中年男性が席についていました。どうやら私たちの他にも宿泊客が居たようです。一人旅だったら絶対民宿がいいと思う。うるさい団体さんに遭遇することもないし、宿のおばちゃんと話しも出来るから。

気になっていた天気、やっぱり雨でした。小雨の中、せっせとオートバイに荷物を積んでいく。この日、あのシャム猫は私たちを見送ってはくれませんでした。

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